今年度中に中央教育審議会答申が出され、学習指導要領が改訂される見通しがあります。
こうした中では、「アクティブラーニング」や「開かれた教育課程」「カリキュラムマネジメント」など、定義を正しく理解し、私たちがめざす民主的学校づくりとの兼ね合いを研究する必要があります。

 そんな中で、朝日新聞が授業時数増について報じています。
「授業年35時間増、文科省が対策へ 小5・6、2020年度から」2016年7月21日

 小学校高学年は現在「年間980時間」です。これに外国語活動が教科化され、現在の週当たり1時間から2時間になることを受けて、総時数が「1015時間」になるというものです。

 中央教育審議会初等中等教育分科会 の「教育課程部会 小学校部会」の「小学校部会の議論について」(リンク先はPDF)では、時数の考え方について次のように記しています。


高学年において年間35単位時間増となる時数を確保するためには、外国語に多く触れることが期待される外国語学習の特性を踏まえ、外国語科を中心にまとまりのある授業時間との関連性を確保した上で、効果的な繰り返し学習等を行う短時間学習を実施することが考えられるが、他にも、45分に15分を加えた60分授業の設定、夏季、冬季の長期休業期間における学習活動、土曜日の活用や週あたりコマ数の増なども考えられるところであり、場合によってこれらを組み合わせながら、地域や各学校の実情に応じた柔軟な時間割編成を可能としていくことが求められる。

 ひと昔前に、「モジュール」・「ユニット」などによる2コマ続きや1単位時間(小学校の45分や中学校の50分)にとらわれない時間の使い方が推奨されたことがありました。それに当たるような考え方や、土曜授業などあらゆる機会で時数を確保する方向で議論がされています。

 実際の学校現場では、様々な子どもたちがいます。「ランドセルに家庭を全部詰め込んできている」という言い方が昔ありましたが、おかれている状況も一人一人様々です。そうした中で、こうした時数増がどのように影響するか心配です。また、教職員の働き方の課題はますます深刻になるでしょう。「チーム学校」として、地域の様々な役割の方々とつながることで、つながりを作るための時間や場が必要になることも考えられます。

 私たち宗谷の教育関係者が大切にしてきたものもあります。民主的学校づくりなど日ごろから意識しているものももちろんですが、学習指導要領改訂の際には、「教育課程づくり」という、私たちが目指す教育をどう実現していくのかという大きな議論があります。もちろん、これは組合が行うことというよりは、学校の教職員集団として、一人一人が真剣に考えるものです。宗谷教組としては、二〇二〇年に向かう教育課程づくりの大きな運動を前に、大切にするべき視点を学び合う運動を創りたいと考えています。