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宗谷教組としてホームページを立ち上げて5年くらいが経過します。
正直、ひっそりとやっているつもりです。
一方では、「ひとりひとりの先生方には、どうやって情報を届ければいいのだろう」と最近よく考えていました。
この週末のこと、稚内での会議や札幌での道教組定期大会など、様々な場面がありました。
その中で、ホームページの話題になることがちらほら。
そこで「意外とみられているものなのだなぁ」ということに気づきます。
教職員組合でホームページやSNSなどで、いわゆる「情宣」をしている場合ってあんまり多くないように感じています。そんな中で、冒頭で書いた「ひとりひとりの先生方に伝える・伝わる手段」としては、ないよりあった方がいい、あってもいい方法なのかなと感じています。
学校教育が抱える困難性だったり、先生方が抱えている多忙さや多忙感がものすごく膨らんでいる中で、「こんな教育っていいよね」「いい先生になりたい…という願いを、みんなで実現させていきたいね」という、いわゆる『教育条理』を大切に伝えていきたいと考えています。
もちろん、「これってなんだろう」って疑問に思うこともあるでしょう。
組合の言葉って、難しいものが多いので、それをかみ砕いていくこともホームページでできること、役割のひとつでもあります。
ホームページやSNSをもうまく使いながら、組合活動の良さをこれからも伝えていきたいと考えています。
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全教では、様々な課題意識を大切にした全国規模の「学習交流集会」がたくさん行われます。
だいたいの場合、稚内からだと前泊か後泊が必要になることもあり、正直、参加はしにくいです。
でも、参加する価値はものすごくあります。
この週末(2月4日~5日)は、富山県で「全国青年教職員学習交流集会『TANE!』」が行われ、宗谷からも参加してきました。
全国の若い先生方が運営をしていて、全国から「学びたい、つながりを作りたい」という方が参加していました。初めて参加の方もいれば、毎年来ている方もいました。
参加するみなさんの「話したい」という気持ちが、あちこちにあふれている学習交流集会でした。
また、全道の「道教組」の仲間が集う機会も大事な機会です。
12月に行われた「ゆいまーる」では、宗谷・網走・根室などから組合に集うみなさんが参加しました。
網走教組の機関紙「ほんりゅう」には、集まることの良さについて次のように書かれていました。
「こうしてたまにしか会わないし、数回しか会ったことないけど、それでも同じ思いや願いを共有できること、同じ熱量で教育について話すことができることが組合のよさだよね。」とホテルのテラスで夜のビーチを見ながらオリオンビールを酌み交わしたことが一番印象的でした。
学び愛フェスタや青年部の「管内若者の集い」のように、宗谷でもたくさんの先生方が集う機会はあります。
先生方の声を聞いても、「集いたい、学び合いたい」ということを聞きます。
ただ、宗谷は広いのでなかなか実現しないのも事実です。
全道・全国の集まりもとっても魅力的なんだ…ということも合わせて、「組合に集うと元気が出るぞ」ということを、どんどん発信していきたいと思いました。
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教職員組合運動を創る立場として、うれしいこと。
「要求が叶う」とか「全道・全国の仲間と出逢える」とかあるものの、なんといっても「組合加入の報告を聞く瞬間」です。
労働組合とか教職員組合のイメージは、残念ながら「今どきな感じ」はしないことがままあります。
実際、組合に加入して下さっている方に聞いても「古い・硬い・わかりにくい」と言われるくらいですから。
しかし、一方で「頼もしい」「優しい」という声もあります。
各職場に分会があって、創意工夫をしながら本部や支部と連携をして取り組みを進めます。
また、目の前の子どもたちの“いま”と“未来”に想いを馳せながら、「宗谷教組として、いま何をすべきか」ということに取り組みます。
賃金交渉や、定員・教育予算交渉の課題として取り扱ってもらうものもあったりして、要求が叶うようにちょっとずつ力を出し合ったりもします。
もちろん、各学校での「職場づくり」への気遣い・心配りも忘れちゃいけないポイントです。
教職員組合として、社会情勢や教育課題について「いま、こうなっているんだよ」という発信もします。
時には『今の忙しさにいっぱいいっぱいで、考える暇なんてないよ』という声を聞くこともあります。一方で、「ふと読んでみたら、大事だと感じた」という声を聞くことももちろんあります。
大ベテランの先生が、組合にまだ入っていない先生に次のようなたとえ話をしてくれたそうです。
教職員組合運動は、じゃんけんなんだ。
道教委は「パー」、先生方は「グー」だ。そして、組合は「チョキ」なんだ。
道教委の施策は上から来るから、先生方は何もできなくて「負け」てしまう。
でも、教職員組合があれば「勝つ」ことができる。
たとえ勝てなくても、先生方も入れば(三つ巴で)「あいこ」だ!
多岐にわたる教職員組合運動の中で、どこかに「いいな」と思ったら、“試しに宗谷教組、入ってみようかな”と思ってくれたらものすごくうれしい。
「子どもたちのために、今よりもうちょっと何かしてみたい」というときに、教職員組合のことを考えてくれる方が増えるといいなと思います。
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教職員組合運動は、職場づくりや学校づくりを大切にしながら、教職員の権利についてのたたかいも進めます。
目の前の子どもたちのために笑顔で教育実践ができることは、「先生としての豊かな実践」と「先生として生きること」を両輪として、どちらも一歩一歩の改善を進める取り組みです。
2017年1月27日、道教組・道高教組は北海道教育委員会と「定員・教育予算交渉」の最終交渉を行いました。
この中で、私たちの働き方に関する前進につながる回答がありました。
「土曜授業2回の振替」の願い、伝わる!
ひとつは、「週休日の振替」について。いわゆる『土曜授業2回で、1日の振休にならないか』という課題です。
11月賃金確定交渉の際に取り組んだ各分会の「ひとこと要求書」の中にも、特に中学校の先生から「土曜授業」があることでの疲労感や、振休の措置についての要求が語られました。このことを受けて、これまでの交渉の中でも現場発言として、先生方のリアルな働き方を伝える取り組みも行いました。
道教委は「時間外勤務等縮減推進会議」でもこの課題について議論し、「土曜授業の実施など教職員の職務の特殊性を踏まえ」て、3月議会での条例改正をすると回答しました。
このことで、『3時間45分』の半日勤務が新たに設定されます。4時間の半日勤務とあわせて1日の振替が可能になります。
例)1回目の土曜授業の勤務を「4時間」と設定し、2回目の土曜授業の勤務を「3時間45分」に設定。 合わせて7時間45分を1日の振替とする。特例として長期休業中にとることも可能。 |
このほかに、いわゆる「勤務の割振り変更」に新たな対象として「家庭訪問」「教育相談」が追加されるなどの前進面もありました。
声を束ねて、伝えることの大切さ
昨今の教育改革が進み、多忙さに拍車がかかる中で、教職員組合運動について「要求がなかなか実現されない」ということが言われることもあります。そうした中で、今回の定員・教育予算交渉の結果は大きいです。
それは、職場の実情を束ね、先生方の声を組織化して、教職員組合として発信するということの成果です。
それぞれの労働組合・教職員組合は、独自課題を掲げ要求実現に向けて日々奮闘をしています。宗谷教組も、そのひとつを担っています。
職場で先生方の声を聞き、教育条理に照らして要求として磨くこと。そして、先生方の働き方が、教育実践が、暮らしが少しずつ豊かになっていくということは、教職員組合の活動があるからできること、組合の意義なのです。
職場の声を結集することを、これからも大切にしていきましょう。
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宗谷教組には、数百人という組合に加入している仲間という財産があります。
集まって語り合うと、おのずと名言に出逢ったりするものです。
以前に、分会活動が活発な職場におじゃましたときのことです。
「組合は教師の学校」ということが語られていました。
さらに話を聞いていくと、学校の先生として学ぶ事を大切にしていきたいよね…という話に。その中で、『学校の先生だからできること』のひとつとして「仲間と生きるということを伝えられる」という言葉が印象的でした。
組合で学んだことが教育実践に生きることだってあります。
教師の授業力とかではなくて、「仲間と生きるということ」を日々考え合っているからできる実践ってあるんだと思うのです。
別の街の若い先生が話してくれたことがあります。
組合で、人事異動の時期になるとよく考え合う「理解と納得」ということでのエピソードです。「組合で民主的討議について学んでよかった」という経験談です。
児童会選挙でのできごと。
なかなか会長候補が決まりません。
民主的に話しあわせながらも、どうしようかなぁと考えていた時のこと。
このときに組合で学んだ考え方で役に立ったのが、人事の時によく聞く「理解と納得」。
子どもたちに学級のリーダーや全校のリーダーを分かち合いながら、どう組織化していくかという考え方を話し、子どもたちは自分たちなりに「理解と納得」を見いだしてくれました。
教師として、組合活動に携わっていなければ、「理解と納得」の考え方を生かして、子どもたちに語ることができなかっただろうし、子どもたちが困っているときに、適切なアドバイスはできなかったなぁ…と振り返ります。
聞けば、そのあとは会長候補を支えるために学級で何ができるかということを話し合い、無事に児童会選挙を乗り越えて子どもたちはそれぞれの役割に奮闘したといいます。
よく、「組合のメリットは?」なんて言われたりします。たとえなかなか気づけなかったとしても、「あれ?これかも!?」と気づくときがあります。先の体験談の先生は、この経験をきっかけに「組合辞めようかな」と思わなくなったそうです。
教職員組合運動は、生活や権利の面の前進を求めることだけでなく、目の前の子どもたちにどんな大人になってほしいか、そのためにどんな教育ができるのか、大人としてどんな未来を手渡すのか…ということを考えるダイナミックな運動です。
そしてそれは、日々の先生方の「忙しい」という苦悩に寄り添うような、職場づくりに源流があります。
あちらこちらで「宗谷教組っていいな」と思ってくれる人がいると、運動は頼もしくなります。
そして、「いいな」という思いを担い合うことで、運動も、学びも、笑顔も、広がっていくんだと思います。
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