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新年度がスタートして1週間ほどが経ちました。
何かと会議が多かったり、年間を通す提案も目立つ時期です。
そんな中で、次のような話をいくつか耳にしました。
校長先生から春の職員会議でこれまでなかった取り組みとして「中休みに全校で運動をする時間を取りたい」という提案があった。
唐突のことだったので、先生方の中には「それはどうなんだろう」と思っても、会議ではなかなか議論が広まらず、なんとなくまずはやってみることになった。
でも、先生方の中には「子どもたちの時間的な余裕の観点で心配」という声や、「全校一斉というのはどうなんだろう」という声があることがあとから炉辺談話でわかったのです。
あくまでたとえ話です。
でも、こういうコトって増えているような印象を受けます。
大事なのは、「一番、確かめ合いたいコトの本質は何かということ」。
その上で、学校として職員会議の前に、例えば「校務運営委員会」などで率直に意見交換しておける土壌はあるのか、さらに組合でいえば「子どもたちの実態をもとに一致できることは何か」ということを普段から話していることがあるでしょう。
このたとえ話なら「大事にしたいことは体力をつけること。だとすれば、おのおのが体育の授業を工夫し合おうじゃないか。それは研修部でも校内研修に位置付けるし、指導部でも体育館の遊び方の環境整備を進めるよ」という解決策もあるはずです。
提案に対して単に「それはダメだ」というのでは抵抗勢力でしかありません。
提案の本質を受けて、方向性をどうするか考え合えるというのが、学校づくりをより良くするうえで大事なことであってほしいと思います。
「今起こっている課題に対して、みんなで『どうしようか』と方向性を考えることができる」ということは、教職員組合の一員としてみんなで大事にしていきたい。そのための力合わせを進めたいことのひとつなのではないかと思います。
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春は出逢いの季節です。「組合、どうですか?」と誘われて、インターネットで検索してこのホームページにたどりついた方もいるかと思います。
宗谷の先生方はあたたかいと言われます。
都会が遠かったり、学校の周りに何もなかったり、だから教育の話をたくさんしてきた文化がそこにはあるからかもしれません。
今では中堅の先生が、組合に入ってすぐの出来事を次のように話してくれました。
春の思い出です。南宗谷の小さな街で時間講師をしました。お給料がとても少ないながら、先生方と子どもたちに恵まれて学校で働くことの楽しさを知りました。
宗谷に赴任して「組合はふたつある」ということを初めて知り、宗谷教組に入りました。
分会長さんが「稚内で教採学習会があるから、試しに行ってみない? 連れて行ってあげるから」と誘ってくれました。
猿払を通って、稚内空港に抜ける裏道をうねうね通って稚内につきました。
分会長の先生は、時間をつぶしにどっかに行ってしまいました。そうして、教採学習会に参加しました。
自分と同じような立場でがんばる元気な先生が稚内方面にはたくさんいることを知りました。
その日は、天候が悪く、稚内からの帰り道は吹雪いていました。もちろん、今のようにバイパスなどはないので、時間もかかります。
そんな中、仕事を切り上げて稚内まで往復してくれた分会長さんには「ありがたいなぁ」と思う一方で、「どうして、ここまでしてくれるのかな」とさえ思っていたのは言うまでもありません。
月日が流れて、正採用になって10年ほど。その時見た「稚内方面の元気な先生」の中には、今でも顔を合わせて組合のこと、学校のことを話すほどの仲の先生もいます。
この先生の「教採学習会」の思い出は13年前のことです。
その時代から比べると、便利になりました。
道路を見ても、豊富・幌富バイパスや、稚内猿払線が整備され、稚内への時間的距離は短くなりました。
ケータイの電波の改善、そしてスマホの普及。便利ですよね。
ただ、忙しさは増しています。もしかして組合に集うことに向かう心理的距離は遠くなっているのかもしれません。
この思い出を語ってくれた先生はこんなふうにも話してくれました。
「時間講師で給料が安かった分、いろんな先生におごってもらった」と。
そして、よく言われたのは、
『後輩ができたら、その時はおごってあげるんだよ』の言葉。
「お互い様」ということを感じますよね。きっと宗谷の先生方は助け、助けられ先生として立派にがんばれるようになってきたんだと思います。だからこそ、考えるんだと思います。
『今度は自分で、何ができるかな』って。
それは、食事の時だけじゃなく、その学校の先生として学校づくりで力合わせをする場面でも。
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3月半ば、ニュースでは「春闘」という言葉が聞かれました。
日本を代表するような大企業で会社側と労働組合側が、賃上げや労働条件の改善について、この時期に話し合うものです。
労働組合にもいろいろあります。
「その会社で働くからには、この労働組合への加入が絶対条件」という職種もあるやに聞きます。
私たち教職員の場合はそんなことはありません。自分で加入するかどうかを決めます。
北海道の小中学校の教職員の場合は、大きく選択は3つです。
ひとつは、北海道教職員組合(北教組)に加入をするということ。
もうひとつは、全北海道教職員組合(道教組)に集う各単組・連絡会に加入するということ。
そしてさいごは、どちらにも入らないという決断です。
◆宗谷教組をはじめとする道教組に集う教職員組合は、留萌以外の各振興局管内ごとに地域名を冠した教職員組合や連絡会を構成しています。宗谷教組は、宗谷管内で全教・道教組の方針を支持する教職員組合です。同じように、13振興局と札幌市に、合計11の単組と、3つの連絡会があります。
「宗谷教組に入る」という選択は、上の3つだと、真ん中になります。
話を戻します。選択は3つある…というところまでお話をしました。
もう少し突っ込んだ言い方をすれば選択は2つです。「教職員組合に加入するか、どうか」ということです。
教室の黒板の前で、「うちの学級の子どもたち」と出逢おうとしている今だから、ちょっと想像を広めていきましょう。
教室で「学級びらき」をどうしようかな。始業式で子どものハートをつかむにはどうしたらいいのかな。
そもそも授業ってみんなどうしてるのかな。自分が子どものときってどんなきまりあったかなぁ。
学級に落ち着きのない子がいて、話を聞いてくれなかったらどうしたらいいかな。
保護者にいろいろ言われるんじゃないかなぁ。どう対応するかも知りたいけど、それってどういうコトなんだろう。
先生方とは仲良くできるかな。わかんないこと聞けるかなぁ。それっていつ、どうやって聞くの?
あれ、まてよ。これから出逢う子どもたちが大人になる頃ってどんなんなんだろう。想像つかないや。
そういわれてみたら、ニュースで言ってる言葉よくわかんない。大人になってもやっぱりよくわからないな。
そういえば、教師の仕事はブラックだって最近聞くなぁ。私は大丈夫かな?
教職員組合は、こんな疑問に答える力を持っています。
教師としての実践力を高めること、「今、目の前に起こっていること」をみんなで考えること、今とこれからの未来がよりよい社会になるよう学ぶ、自分たちの働き方の改善に取り組むこと…などなど。こうした取り組みを戦後からずっと取り組んできました。
教職員組合がふたつある理由は、それぞれの組合に加入する先輩から聞くのが一番いいです。
どちらの組合の集まりに参加してみるというのもありでしょう。
そのうえで、自分事として「教職員組合への加入」を考えてほしいと願っています。
教師の仕事は、ひとりではできません。
授業中に具合が悪い子がいたら、「保健室に行っておいで」といいます。
保健室に歩いていくその子に、廊下で会った担任外の先生や支援員さんなんかが「大丈夫?」って声をかけてくれます。
養護教諭の先生が手当てをしてくれて、職員室の先生が話を聞いてくれることだってあります。
放課後になって、この子に関わった先生方がいろいろ話してみると、担任の自分が気づいていなかった新たな課題を知ることになるかもしれません。
教育って、こうした“力合わせ”の積み重ねで成り立っています。
そして、その力合わせをそっと後押ししているのが教職員組合です。
教育は、私たちの身の回りでは学校が公の責任をもってやっています。
だから、教職員組合は目立ってはいけません。目立たないから何もしていないのではなく、そっと先生方の思いに沿ってサポートしていきます。学校がいい状態の時には教職員組合の存在は見えにくいものです。
「いい先生になりたい」―――そんなあなたの思いを応援し、共に学び合えるのが教職員組合の良さです。
だからこそ、あなたも教職員組合への加入を考えてほしいと思っています。
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宗谷教組では、「学校の先生として『学ぶ』ことを大切にしよう」と語り掛け続けています。
子どもたちにとって、「授業が楽しい!」というのは、「お、この勉強わかったぞ!」という瞬間があることはもちろん、先生の発問に「なんで!?」って思ったり、「やってみたい!」と思ったときなどなど、子どもたち自身が「今、この授業で、話したい!考えたい!」となったときではないかと思います。
そのためには、教師として授業について考えたり、先行実践から学んで単元の計画を立てるやり方を知るなどしながら、日々の子どもたちのとの教室の風景をイメージしながら学ぶことを大切にしあいたいというのが、宗谷教組としての願いです。
青年部では、「センたま」という学習会を毎月1度行っています。
なかなか参加者が多くない時期も、毎月実施することを大切にして2017年1月でちょうど5年を迎えました。
私たち教職員にとって、目の前の子どもたちのことや、教育実践を進める意義や意図をじっくりと語り合うという経験はとても大切なものだと思うからです。
昔は、炉辺談話なんていう光景もここかしこにあったようですが、今の時代となっては貴重な営み。だからこそなおさら大切にしていきたいと、青年部としてコツコツ続けています。
いつもは稚内で実施している「センたま」ですが、2年前に一度だけ、稚内以外で実施したことがありました。
まず、支部代表者会議で、「おたくの街を会場に青年部例会をできないか」というお願いをしました。
きっと、お願いされた支部では分会長会議などで「うちの街で受けれるか」ということが交流されたんだと思います。
中学校の分会長さんが、青年部学習会のこうしたねらいを読み取ってくれて、職場の先生方に声かけをしてくださいました。
そして、「少しでも学習のおみやげになれば…」とレポートも準備してくれました。
支部、専門部など宗谷教組では様々な学習が活発です。
そんな中でも、この青年部例会は、とても意義あるもので、今後の取り組みのひとつのモデルになるのではないかと感じています。
企画する。応える。呼びかけて集まる。そして学ぶ。
----どれも、心遣いと気配りにあふれる取り組みです。
ちなみに、2017年の「センたま」は、初夏から夏にかけて3つくらいの街をめぐる計画も立てています。
「うちの街に来てほしい」というかねてからあった声に、いよいよ応える取り組みです。
「学ぼうよ」の声に応えるみなさんの輪が、広がっていくことを願っています。
そして、宗谷教組の組合づくりのひとつとして、こうした営みがどんどん広がってほしいです。
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今日からしばらく、教職員組合に加入するってどういうことなのか…ということを、シンプルに書いていきたいと思います。
まずは、組合費のコト。
組織拡大で「組合に入りませんか?」という話をすると、気になるのは組合費です。
若い方で月に8000円とか、一般的には1万円前後です。
公共料金でいえば、スマホ代とか自動車保険とか、奨学金の返還とかと同金額というところでしょうか。もちろん、人によってそれぞれですが。
まずは「組合費を払う」ということについて考えていきましょう。
『組合費って、いざというときのための保険みたいなものだよ』
大先輩の先生が話してくれたことがありました。
「日々の学校での仕事をしていても、まぁ、あまり困ることはないけど、
たとえば人事とか、あっちゃ困るけど心折れてしまうとか、
いつ、なにが起こるかわからない。
でも、そういうときは組合が助けてくれるから、組合費を払うんだよ。
私は、組合費って自動車保険みたいなものだと思ってるよ」
なるほどなぁ…と思います。
何かあったら助けを求めたくなるのは当然です。
でも、何かある前から、その時に備えながら、たくさんの先生とつながりを創るというのが、教職員組合の大きな意義のひとつです。
みんなの「教育をよくしたい」を胸に、遠くの学びに出かけよう。
教職員組合は、教師の実践力を高めること、憲法や平和に関して考え合うことなど、「目の前の子どもたちの未来」を意識して、たくさんの取り組みをしています。
時には、稚内に学びに来ませんか?とか、札幌・本州に学びに行きませんか?…というお誘いをする場合があります。
こうした学びを成就させるため、運営したり参加者を組織するためにも私たちの組合費は活用されています。
よく、「勉強したいです~」という声を聞きます。
そんなあなたこそ、教職員組合に集うことで、考え方が拡がったり深まったりする機会に恵まれることになると思っています。
そして、出かけたら宗谷に戻ってきて、「こんなこと学んできたんだよ」というふうに語り合うことが「みんなの『教育をよくしたい』」という気持ちに対するお返しにもなって、そうして学びも広がります。
教職員組合に加入することで、一番お得なのは、「自らいろいろ参加してみて愉しむこと」だと思います。
そうすると、人と人とのつながりができたり、どこか遠くに行けてそこでもつながりができたりします。
また、最新の教育のことを知ることができたり、そこから自分の知見が深まります。
そして、こういうふうにしていると、いつしか組合費のコトは気にならなくなってきます。
しかも、そんなひとりひとりの学びや出逢いが教職員組合運動を豊かにしてくれています。
組合に入ってくださっている先生方の、ひとつひとつの活動が元気に行われていることに感謝をしつつ、こうした場をもっともっと豊かにしていきたいと思っています。
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