新年度がはじまって数週間。「新入生歓迎会」や「1年生を迎える会」などか行われる時期です。
また、クラス替えがあった子どもたちも、学校がはじまって10日。自分の居場所を模索したり、新しい学年に、ワクワクしながらもドキドキしながら過ごしている時期です。

学校で子どもたちが生活面や学習面を通して学び合うことはとてもたくさんあるでしょう。
その中で、仲間との関わりというような、いわゆる「集団づくり」の側面というのは非常に大きなウエイトを占めているものです。

児童心理5月号の中で筑波大学教授 土井 隆義さんは「友だち関係のつまづきを恐れる子どもたち」の中で次のように記しています。

かつての学校には、同じクラスの生徒になった以上は仲間でなければならないとか、同じ部活のメンバーである以上は助け合わなければならないとか、そういった規範的な圧力がかなり強力に存在していた。しかし昨今の学校では、その拘束力が弱まっている。そして、制度から自由になった分だけ、対人関係を起用にこなせる者と、関係づくりが苦手な者との間で、友だちの人数にも大きな落差が生じやすくなったのである。

数値的な学力の向上を迫られている中で、学校は子どもたちの生活の営み、仲間との関わりの観点から大切な取り組みを縮小しなければならない状況になっている場合があります。
例えば、縦割り班活動のような関係づくりの場だったり、児童会選挙を廃止するとか、子どもたちが仲間と関わり合う場がどんどん削られ、代わりに「チャレンジテスト」のような反復学習が大事だとされています。

引用した文章の最後の部分にあるように、仲間との関わりを学ぶことすら、自己責任になっているのかもしれません。
子どもたちが大人になったときに、かかわりやつながりを大切にして活躍できるかどうか…ということは、学力とともに大切なことであるはずです。学校の様々な教育活動をする上で、こうした情勢を把握しながら子どもたちを見守っていくことの大切さを考えさせられます。